本日は東洋医学の弁証(西洋医学での診断)の一つ、「気滞」についてご説明いたします。
まずは気滞という用語の説明ですが、気滞とはストレスなどによって気の流れが滞った状態のことで、症状としては張痛(張るような痛み)・抑うつ感・膨満感・乳房痛・手足末端の冷えなどが現れます。
気滞の中でも、気が上に昇りやすくなってしまう気逆(上逆)という状態では、側頭部の頭痛・悪心・嘔吐・冷えのぼせ(頭はのぼせてボ~っとするが手足は冷える)などの症状が現れます。
これは、気はもともと上に昇りやすい性質を持ち、気が滞ると巡りにくい手足の末端には気が巡らず、頭に気が昇ってしまうため冷えのぼせや頭痛の原因となります。
不妊症でいうと、気滞タイプで多いのは基礎体温がギザギザの二相性になりやすいですね(>_<)
気滞はストレスによって起こりやすいですが、他にも二次的に生じるケースは多々あります。
たとえば、瘀血と言って汚れた血が滞ると、血を押し流している気の流れも悪くなり気滞血瘀といって瘀血から気滞を生じますし、余分な水分が蓄積することからも同じ機序で気滞を生じます。
それでは、気滞を改善するにはどうすればよいかというと、まずはストレスを貯めないことで、貯めたら発散することが必要です。
発散する方法としてお勧めなのが、やはり運動です(*^^*)
とはいえ、それほどハードな運動は必要でなく、軽いウォーキングなどでも十分です。(あまりハードな運動を自分に課すと、それがストレスになってしまう方もいらっしゃいますので、ご自身の体調や運動習慣に合わせて、少しずつ負荷を上げていきましょう♪)
鍼灸での気滞へのアプローチ方法は、足の第一趾と第二趾の間(親指と人差し指の間)のみずかきの根本にある「太衝」というツボや、掌側の手首の近くにある「内関」というツボが頻繁に用いられます。
ご自身で押すだけでも効果はありますが、置き鍼などで刺激を与えるとより一層効果的です。
漢方薬では、加味逍遥散・柴胡桂枝湯・四逆散・釣藤散など色々とありますが、体力の有無や体質に合わせて選ぶ必要があるので、素人判断せずに専門家に処方してもらうのが一番です(#^.^#)
2015
08May
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